ICT and DX Initiatives

ICT・DXの取り組み

ICT導入で業務改革と
質の高いケアを実現

Objectives取り組みの背景・目的

生産性向上と
法人内包括ケアシステムへの取り組み

生産性向上と法人内包括ケアシステムへの取り組み法人理念である「医療と福祉の連携による質の高いサービス提供」を目指すうえで、生産性向上のための業務改善が重要な課題であることが明らかになりました。また、地域包括ケアシステムの推進に向けて、全事業所が情報共有する仕組みづくりが不可欠でした。そこで、令和3年度より、ICT機器の導入による業務全体の効率化と、「法人内包括ケアシステム」の構築に取り組んでいます。

今後は、導入機器を継続的にアップデートしながら活用し、業務改善のアップデートをさらに進めていきます。また、介護ＤＸ人材育成に取り組み、働きやすい職場環境づくりを目指します。

Examples of ICT and DX主なICT・DXの導入事例

ICT機器導入による事務作業の効率化

令和3年度にICT機器を導入し、さまざまな情報をタブレットから入力、集約できる体制を整えました。医療・介護連携サービスソフト「メルタス」を活用することによって、多職種スタッフ間や全事業所間でのスムーズな情報共有が可能になりました。

従来の紙ベースでの情報共有では、処理の限界や事務作業の負担が課題でしたが、ICT導入により、記録・情報共有・請求業務を一気通貫で行えるようになり、業務の効率化とケアの質の向上につながっています。導入から3年で、年間の紙使用量は84％削減、書類作成業務に費やす時間は77％削減することができました。

眠りSCAN導入による安心・安全

令和4年度に導入した「眠りSCAN」により、睡眠・覚醒・起き上がり・離床・心拍数・呼吸数などを、離れた場所からでもリアルタイムに把握することができるようになりました。タブレット・スマートフォン、インカムとの連動により、転倒事故のリスクの低減や、利用者さまの状態に応じた見回りや適切な対応が可能になりました。また、睡眠状況や生活習慣のデータ化が容易になり、ケアプラン作成に活用することもできます。

介護の質の向上に加え、介護時間の短縮や負担の軽減にも寄与し、利用者さまと介護従事者の双方の満足度の向上にも結びついています。導入により、一日あたり64分のゆとり時間が生まれました。

多機能ベッド導入による負担軽減

令和5年度に、背上げ・膝上げ・高さ調整の3つの機能を備えた多機能ベッドを導入しました。これにより、移動・移乗・介助の際の、利用者さまと介護者の双方の身体的負担を軽減することができます。ベッドでの事故防止や誤嚥のリスクの低減にもつながり、安心・安全なケア環境の整備にも貢献しています。介護が必要な方の多くは自宅でも多機能ベッドを使用されるため、施設内でも同様の環境を整えることで、在宅復帰へのスムーズな移行が可能となります。

導入後、短期集中リハビリの在宅復帰者数が9.1名から11.2名へ増加しました。職員アンケートでは、負担軽減・食事対応・誤嚥リスクについて100％の職員が評価し、予防、在宅復帰促進、環境整備、移動。・移乗・介助が楽になるについては92％の職員が評価しています。

インカムの導入による業務効率化の加速

令和6年度に、「眠りSCAN」と連動した情報共有システムとして「インカム」を導入しました。これにより、施設全体がリアルタイムで一つのチームとして動き出し、多職種間の情報共有が一層促進されました。その結果、コミュニケーションの円滑化と業務の効率化を実現しています。

回診やカンファレンスなどの場面でも、多職種が一堂に会することなく、それぞれの業務を優先しながら、リアルタイムで情報を共有し、参加できるようになりました。さまざまな場面で時間の削減が可能となり、ゆとり時間も生まれています。また、アクシデント発生時にも、スムーズな対処や臨機応変な対応が可能になりました。